「ところ変われば品変わる」といいますが、昔から不思議に思っていたことがありました。それは、外国人の名前のことです。
あまりに遠い昔のことで、いつごろのことかは定かではないのですが、「ベティちゃん」の本名は「エリザベス」で、「べス」の愛称を持つ、エリザベス・テイラーと同じ名前だということを知ったときは、とても驚きました。
その後、アメリカ映画やドラマを見るようになり、世界史を勉強するようになって、人名が言語によってものすごく変化することに気が付きました。
「エリザベス」は、ドイツ語では「エリザベート」、スペイン語では「イザベル」になります。
「キャサリン」は、ドイツ語では「カタリーナ」、スペイン語では「カタリナ」、フランス語では「カトリーヌ」、ロシア語では「エカテリーナ」になります。
有名な女優さんや世界史に登場する女王たちの呼び名も、別の言語の呼び方をすると、まったくイメージが変わってくるような気がしました。
さらに、彼らは、短縮形や愛称を使うこともあります。
「エリザベス」ならば、「ベティ」、「べス」、「リーザ」、「リジー」、「リセット」などがあります。これも、それぞれ、まったく異なる印象を与えてくれます。「エリザベス」と名付け、その後、どの愛称で呼ぶようにするのか、それをどんなふうに決めるのか、とても興味があります。
エリザベス・テイラーは「リズ」であり、「ベティ」とは呼ばれません。また、クリントン元大統領やマイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏は、ともに「ウィリアム」なのですが、「ビル」という短縮形の名前が定着し、「ウィリアム・クリントン」、「ウィリアム・ゲイツ」と聞くと、なんとなく、彼らとは別の人を想像してしまいます。
日本でも、子供のころや学生時代に名前をもじった愛称を使うことがありますが、元の名前がすぐに分かるものが多いようです。しかし、この外国語の名前の変化っぷりは、半端じゃないように思います。
そうそう、つい最近、タレントのベッキーさんの本名が、「レベッカ」だということを知りました。「レベッカ」というと、イギリスの小説やヒッチコックの映画を思い浮かべるため、あまり親しみやすさは感じられなくなります。やっぱり、「ベッキー」のほうが、彼女のイメージに合っていると思います。
最近、日本でも「キラキラネーム」などと呼ばれる、ちょっと変わった命名が流行っているようです。中には、どう見ても、親の自己満足でつけた、最近のはやりものの名前などがあり、将来、子供は悩んでしまうのではないかと心配になることがあります。
どうしても、そんな名前で呼びたいなら、本名は無難なものにしておいて、愛称で「キラキラ」したらどうかなと思ったりもします。