先日、いつも翻訳と通訳でご利用いただいている大手住宅メーカーの部長さんからご連絡がありました。
「あー、こないだはホントに大変だった。タイナーズさん今度海外も来てよ」
この部長さん、アメリカにある取引先に訪問することになっていまして、いつも国内の通訳は当社をご利用いただいているのですが、アメリカに同行できる通訳担当者がいないため、他社さんを利用されたんです。
「何が大変だった」かというと、その通訳者さんがあまりよろしくなかったらしいのです。
聞くところによると、旅行会社を通じて通訳者を手配してもらったらしいのですが、いざ現地で通訳をしてもらうと、
「明らかに取引先(アメリカ人)が言っていることを正確に通訳していなかった、ということが英語が分からない私にも分かった」
とのことでした。
よくよく話を聞けば、旅行会社によると「高い水準で英語ができる人」だったのでとても安心していたところ、実際は通訳としての役割を果たせていなかったとのことです。
当社から通訳者を派遣できなかったという負い目もあり、大変申し訳ないことをしたなあという思いがありますが、私はこの話を聞いてピンときたところがありました。
たぶんこの通訳者さんは、実際、「高い水準で英語ができる人」だったのだろうと思います。ですが、通訳をするにはクライアントの満足するのに十分ではない(今のところの)能力・経験の持ち主だったのかもしれません。
通訳と言いますと、
クライアントが話す日本語を英語に置き換えて相手に伝える。反対に、相手が英語で話したことを日本語に置き換えてクライアントに伝える
という言語の置き換え行為の連続のように見えます。
そのとおりではあるのですが、厳密には、この「置き換え」というのは、かならず通訳者のフィルタが入ります。通訳者は機械ではありませんので、元の言語を他の言語に機械的に直訳するわけではなく、いわば通訳者の言葉として他の言語に置き換えて相手方に伝えます。
すなわち、何の言語かを問わず、通訳者には表現をするための高い能力が必要になってきます。
クライアントが海外の取引先を訪問し、立ち話の場面で、また、会議の場面でせつな的に出てくる言葉をどのように表現するか、まさにせつな的に判断をしなければなりません。
「表現する」ことは「英語や日本語を高い水準で操れる」こととはかならずしもリンクするものではない、というのが現在の当社の見立てです。また、通訳者のパーソナリティも大いに考慮すべき事柄であるというのも、当社の見立てです。
パーソナリティのことについては、下記で少し触れています。
通訳サービス(取引先との会議)は通訳者の人柄で選ぶのが良い
https://www.tiners-p.com/blog/1029
いずれにしても、通訳者をお探しの際は、「高い水準で英語ができる人」ではなく、(英語ができることは前提として)「表現が豊かな人」をキーワードにしていただくと円滑ではないかと思います。
「いちばん間違いないのは、当社をご利用いただくことですよ」
という厚顔なことを申し上げつつ、本ページを締めたいと思います。
タイナーズの通訳サービス 英語 フランス語に対応
https://www.tiners-p.com/interpret.html