この記事は、推薦をする方(指導教授や上司)に向けてお伝えしています。
平素、推薦状の英訳のご依頼をいただき、英語表現を作っていくわけですが、その原文となる日本語の文章を見てみますと、すごく優れた推薦文もあれば、少し戸惑ってしまう推薦文もあります。
優れた推薦文に共通しているのは、被推薦者のことをよく見ていて、どういう部分が推薦できるかを具体的に捉えていらっしゃるという点です。これは、急場しのぎで思いつく内容ではなく、普段から真剣に被推薦者と向き合っている、あるいは過去、真剣に被推薦者と向き合っていたからこそ為せるわざです。
いっぽうで、少し戸惑ってしまう推薦文に共通しているのは、被推薦者の経歴や活動の紹介が多いという点です。たとえば、被推薦者の大学時代の専攻、論文の内容、社会人になってからの職域、受賞歴など、これらの紹介が長いんです。
もちろんこれらも必要ではあるのですが、紹介に終始しますと、単に説明文に留まり、履歴書や職務経歴書を見れば書いていることばかりになってしまいます。
大切なのは、その学問領域に被推薦者はどう向き合ってきたと感じるのか、被推薦者がその職域に一生懸命である背景には何があると感じているのかなど、
「私が見た被推薦者の姿」
をしっかり反映することなんです。
指導教授の皆様、そして上司の皆様におかれましては、このことを押さえていただき、被推薦者のプラスになる内容をお書きいただければと思います。