映画のテレビCMってよくやっていますが、ハリウッド映画のキャッチコピーはいつも面白いですね。
「全米が感動で打ち震えた!」
「今世紀最高の感動作」
「前人未到のアクション大作」
抽象的な感じなのが特徴です。
最近でいちばん面白かったのは、アンジェリーナ・ジョリー主演の「マレフィセント」です。ディズニーの眠れる森の美女のダークサイドver.とでも申しましょうか。いずれにしても有名な映画です。
https://www.youtube.com/watch?v=DhgTpcykNcA
で、そのテレビCMのキャッチコピーがこれ。
「アンジェリーナ・ジョリー至上最高」
かなり抽象的な感じに仕上がりました(笑)
実際のところは、アンジーが主演した映画で興行収入がいちばん大きいということらしいのですが(50億円)、そんな背景は「明日仕事休みだから、映画でも観に行こうか」くらいの多くの人には、知るところではありません(笑)
ディズニー『マレフィセント』興収50億突破! アンジー主演作で史上最高額に
You Tubeにこの広告文のCMがあがっていなかったのが残念なのですが、たぶん皆さんも一度は見たことがあるはず。
さて、前段が長くなりましたが、映画の広告文もよくご依頼いただくんです。
といっても、さすがにハリウッドから直接の依頼は来ませんが(笑)
この手の広告文で特徴的なのは、文章量が少ないことです。
分量量が少ないと、サラッと翻訳できるイメージがあると思うのですが、実は長文よりも短文のほうが翻訳は難しいんです。
と言いますのも、文章量が少ないということは、その言葉が意味することの説明を、文章がないところから読み取る必要があるからです。いわゆる「行間を読む」というやつですね。
で、我々の任意の文章であればいくらでもその行間を作り出すことができますが、お客様の原稿を翻訳するわけですから、事前にしっかりお客様にヒアリングを行います。
お客様も明確にお答えになるのは難しいのですが、なんとなくのイメージをお伝えいただくことで、その「行間」を突き止めていくんです。
あとは、どう表現するかということで、イメージを沸き立たせ、言葉の神様を光臨させます。(白魔術のほうです^^)ときにドラマチックに、ときに切なさを表現して、「きっとこの訳文を読んだら、みんな映画を見たくなるよ」というところまで訳文を持って行く。それが映画の広告文翻訳の妙味で、なんとも楽しいのです。