「和の心でお客様をおもてなしいたします。」
こういった文句を、よく京都の老舗旅館のウェブなどで見かけますね。
日本の赴きなわびさびなどを表す「和」。これを英語で言うと、
wa
なんです。まさかのローマ字書き(笑)
といっても、waだけですと意味がよくわかりませんので、wa-Japanese culture-と書いたり、あるいは前後で少し説明が必要ですね。
つまり、この「和」というのは、日本の文化や伝統、習慣などが背景にある言葉ですので、なかなか英単語一言でこれに見合う表現がないのですね。だからこそwa!
で、実はこの「和」。しっかりその意味を認識していないと、誤った英語表現をしてしまいがちになるんです。
そんな、面白い間違いを2つご紹介したいと思います。
【「和」の間違った英語その1】harmony
これは結構間違って使ってしまいがちな単語です。
カタカタでも普通に使いますよね、ハーモニー。
和の心、ハーモニー。
一見正しい英語のように思うのですが、実はちょっと違ってるんです。
これは「調和する」という意味で使われるんです。
例を挙げると分かりやすいです。
夏野菜と爽やかなレモンのハーモニー
こんな感じ。つまり、何かと何かが仲良く混ぜ合わさっているという意味で用いるのがハーモニーなんです。
ということで、和の心を英語で表すときには、この「harmony」は似つかわしくないんですね。
【「和」の間違った英語その2】sum
sumは、足す・合計するという意味の「和」です。足し算の和の意味です。
こんなの間違えるの?と、一瞬思ってしまいますが、実は結構多いんです。(これを見たときには驚愕しました!)
単純に「和の心」とだけ英語で表現するときは、さすがにsumを用いることはないのですが、たとえば、
日本の古くから伝わる囲炉裏、日本庭園、わび・さび、これらの和の心が、お客様を温かく包み込みます。
このような文章があったとき、読解力がないと、「囲炉裏」と「日本庭園」と「わび・さび」を合計した心がお客様を温かく包み込みます。
と、こういうふうに解釈してしまうわけです。
日本語を母国語とする方なら間違えることはほとんどないと思いますが、英語を母国語とする方がこの日本語を英語にしたときに、もしかしたら起こりうる間違いです。