言葉、とりわけ日本語は奥が深いと感じる、少雨のこのごろ。
今日は「互いに」という言葉を紹介したいと思います。
「互いに」の辞書での意味
そう、意外にも「互いに」とは2者間だけに使われる言葉ではないんです。
で、何がおもしろいって、2者以上に用いられるのが意味とありながら、その例文を見てみると、2者間と思しきものばかりなんですね。
上記の辞書で言えば、
ギリギリ3者以上で解釈できるのは、「お互い健康には気をつけよう」だけだと思います。
お互い顔を見合わせるなんてのは、5人もいたら、きょろきょろしてしまいそうな気がする(笑)
意味と例文を照らし合わせて思うのですが、もしかして「互いに」という言葉は、意味としては2者以上を指しながらも、使われるのは2者でのことが多いからではないかと。
とはいっても、たとえば、
我々○○協同組合の会員同士、互いに助け合ってやっていかなくてはいけません。
なんていうと、明らかに3者を超えた使い方になりますね。
このあたりのことを詳しく聞いてみたいなと思って、辞書の販売元である三省堂さんのウェブを見ると、「個別の言葉の意味のご質問はちょっと・・・」という文言が。
そりゃそうです。
辞書に記載されている言葉の一つひとつについて、質問を承っていたら、もう煩雑を極めてしまって仕事にならないですよね。たしかに。
もしかしたら、「互」という漢字を調べたら何らかの答えが出るかもしれない。よく見れば面白い形をしているし。
と思ってネット検索で調べてみたところ、説明をしているページがどうにかあるにはありましたが、いまいち人数のことまではつかめませんでした。
「互」という文字の元(象形文字?)の語源などの解る方、是非教えてください。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1297301292
漢字原子 : 漢字の成り立ち の251
http://www5b.biglobe.ne.jp/~shu-sato/kanji/gensi.htm
むむむっ、なかなか強敵ですね。
いずれにしても、「互いに」とか「お互い」というと、なにやら2者間でのことのように捉えられますが、どうやらそうではなく3者でも4者でも、極端に100者でも(たぶん)用いられるということが分かったのが収穫です。
このへんのお話って、契約書の前段部分で使われることがありますね。
たとえば、3社の合弁契約なんかですと、
「互いに合意した当該契約内容について、」
A社B社C社の3社が合意したという意味になります。
まあ、もっと分かりやすくいいますと、
「3社間で合意した当該契約内容について、」
と表現することもできますね。
契約書の英訳・和訳(ネイティブチェックあり)
https://www.tiners-p.com/agreement.html
以下の内容も読まれています。
(英訳の前に)日本語の契約書はそもそも正しいですか?
https://www.tiners-p.com/blog/1079
読点の位置で意味は変わる(契約書やNDAでも役立つ)
https://www.tiners-p.com/blog/535