今年の春くらいだったでしょうか。
翻訳に関するちょっとちょっと面白いニュースがありました。
ミュージックステーションという音楽番組(タモリが司会をしているあの番組)に、ノエル・ギャラガーという、イギリス出身のミュージシャンが出演しました。
元Oasisのメンバーといったら、多くの皆さんがご存知ではないかと思います。
そのノエル・ギャラガーがミュージックステーション出演後にアップしたブログの内容が物議をかもしました。
その「物議」については、インターネット情報がたくさんありますので、ここでは端折りますが、要は、ミュージックステーション出演の感想を、すごく悪いように書かれていた内容だったと言うものです。
「物議」の内容は下記をご覧ください。
http://bit.ly/NaYvXy
でも実は、そのブログの内容を誰かが誤って翻訳したことが分かり、悪いというより、どちらかというと、好意的に書いている内容だったんです。
つまり、ノエル・ギャラガーは「いい人」でした。
この事実は、おもしろい示唆を与えてくれています。
極端な誤訳はともかく、原文を日本語に翻訳する際、その原文だけでは情報が不十分です。
たとえば、
山田氏「まったく佐藤って奴は、遅刻ばっかりしてしょうがねえなあ」
この文章は、字面だけを見ると、佐藤さんという人は遅刻ばかりをする人で、そのことを山田さんはあまり良く思っていないように感じます。
ですが、この情報が加わればどうでしょう?
- 山田さんと佐藤さんは、普段、たいへん仲が良く、思ったことを何でも言い合える間柄です。
- 山田さんは、口は悪いけれど、その発言の裏には常に愛情が込められています。
ね?
これらの情報を入れると、山田さんは佐藤さんが遅刻をすることについて、実はそんなに悪く思っていなくて、むしろ遅刻ばかりする佐藤さんを好意的にとらえているようにも思えます。
だいぶ印象が変わりますね。
このように、原文を日本語に(日本語を多言語にする場合もそうですが)翻訳する場合は、原文だけですと、情報が不足して、いわゆる「正確な翻訳」をすることができません。
原文を元にして、
どういう意図で書かれたものなのか?
その真意は何なのか?
を洗い出すことによって、原文の正確な意味を把握することができ、それによって「正確な翻訳」をすることができます。
ここからはちょっと宣伝っぽくなりますが(笑)、
私たちの翻訳サービスでは、最初にかならず原文を用いてお客様とお電話でのヒアリングを行うことにより、原文の正確な意味を把握し、その後、翻訳過程に入っていきます。
だからこそ、「正確性の高いタイナーズ」として、多くの皆様(とくに企業関係者様、教育機関の関係者様)にずっとご愛顧いただけているのだと思います。