イギリスのエリザベス2世女王は、今年で即位60周年だということです。先日、天皇陛下、皇后陛下を始め、各国の王族が列席され、華やかな式典がロンドンで執り行われました。ロンドンには一度だけいったことがあり、そのときに見た風景を懐かしく思い出しました。
イギリスを始め、ヨーロッパを旅すると、私はひどく疲れてしまいます。アジアを旅しているときには感じられない圧迫感を感じてしまいます。
なぜかなあとずっと考えていましたが、ある時、ふと気が付きました。それは、建造物のサイズが大きすぎるということでした。とにかく、何もかもが大きすぎて、圧倒されてしまうのです。また、石造りの建物が密集しているのを見ると、悲しいかな、日本人の性でしょうか、崩れてきたら下敷きになる、とドキドキしてしまうのです。
それでも、イギリスの旅は楽しいものでした。憧れの「大英博物館」に行き、朝から閉館時間ギリギリまで「これ、教科書で見た!」という遺跡、絵画などを堪能しました。世界史が好きだったため、ギリシャ、ローマの遺跡、ロゼッタストーン、ハンムラビ法典など、これでもかというぐらい充実のラインナップで、中学、高校時代にロンドンに住んでいたら、もっと歴史が好きになっていただろうと思いました。
ところで、イギリスでは食事は期待しないほうがよいと、よく言われますが、本場のギネスビールを飲みながら、フィッシュ&チップスを食べるというのが、もう1つ、私のイギリス旅行の目的でした。
現地在住の友人がお勧めの店に連れて行ってくれ、そこでギネスビールとともに、フィッシュ&チップスを食べました。揚げたての白身のフライはほのかな塩味がして、黒ビールのつまみにはぴったりでした。4日間の滞在中、3回も食べるほど、気に入ってしまいました。
帰国後、白身魚とポテトを買ってきて、調理してみたのですが、どうしても同じ味には仕上がりません。ギネスビールも、どうも同じ味ではないのです。
旅行の想い出補正がかかっているのかもしれませんが、名物にはそれに「ふさわしい場」があるのでしょう。60周年記念式典を見ながら、去来したのは、「本場のフィッシュ&チップス」でした。
ともあれ、女王様、即位60周年、おめでとうございます!